2020.03.31

英語のSEO対策——知っておくべき全7ステップ

Yuichi Ishino

ウェブサイトの英語化とSEO対策

海外進出を検討する日本企業にとって、自社ウェブサイトのグローバル対応は喫緊の課題だと言えます。ターゲット次第にはなりますが、とりわけ海外ビジネスの共通言語とも言える「英語」への対応は必須でしょう。

しかしながら、ただコンテンツを英語化するだけで、海外の潜在顧客に自社ウェブサイトを訪問してもらえるわけではありません。潜在顧客とのタッチポイントの創出は「検索」「ソーシャル」「広告」などいくつかありますが、なかでも費用対効果が高く、取り掛かりやすいのが「検索」です。

<参考>「コンテンツ戦略」についての詳細記事

海外市場で成功する英語のコンテンツマーケティング

では、「検索」からの流入を増やすためにはどういった戦略が有効でしょうか。それこそがまさにSEOです。SEO対策をしっかりと行い、検索表示画面の最初の方に自社コンテンツが掲載されることで、海外に住む新たな潜在顧客の取り込みが見込めるでしょう。この記事では、英語コンテンツのSEO施策について解説していきます。

英語のSEOで押さえておくべきこと

日本語のSEOと比較して、英語のSEOで念頭に入れておくべき指標は変わるのでしょうか。GoogleがSEOスターターガイドに記載している通り「ユーザーにとって有益で質の高いコンテンツを作る」という目的は変わりませんが、そのアプローチ手法はやや異なります。日本と海外では言語・文化・市場の特徴が変わります。SEOを狙ったコンテンツについても、これに応じた施策を講じる必要があるのです。

コンテンツは次のような制作フローのもと完成されます。各ステップに合わせて、英語のSEOで気をつけてたいポイントをまとめました。

①課題抽出と仮KPIの設定

②キーワードの洗い出し

③ペルソナの設定

④競合の分析・インテント分析

⑤コンテンツの企画

⑥コンテンツの制作とKPIの本設定

⑦コンテンツのリライト

①課題抽出とKPIの仮設定

すでに海外市場向けの英語サイトがある場合、まず着手すべきは現状の把握です。Google AnalyticsやSearch Consoleを駆使し、データを収集。精緻に分析をしていきます。ここで日本市場の分析からは予想しにくい検索クエリが見つかるでしょう。そこから潜在的なユーザーのニーズを想定し、コンテンツ企画へと反映させます。英語サイトを新しく作る場合は、営業データや口コミサイトのキーワード、競合分析などをすることで、想定クエリを集めます。なお、この段階でKPIを仮で設定します。まずはラフなもので構いません。セッション数を上げるのか、あるいはコンバージョンを増やすのか、明確な目的を設定することで、以下のステップのアプローチが変わってきます。

<参考>「英語のSEOの準備』についての詳細記事

英語のSEO施策を始める前に——準備と現状分析

②キーワードの洗い出し

次にキーワードを洗い出していきます。これにはいくつかの手法があります。まずは、Search Consoleから検索クエリをひとつずつ丁寧に拾っていくパターン。それから、キーワードプランナーやGoogleトレンドなどGoogleが提供するツールを使って周辺の言葉を集める手法。あるいは、営業部門、マーケティング部門などの関係部署とエージェンシーでワークショップを企画し、キーワードのアイデアフラッシュを行うことも有効です。このほか、海外では英語のSEO対策に有効な様々なツールがあります。例えばanswerthepublic.comなどはあらゆる角度からのキーワードを集めるのに便利です。

<参考>「英語のSEOキーワード」についての詳細記事

英語のSEO施策で鍵となる、キーワードの抽出方法

③ペルソナの設定

キーワードを集めたら、今度はターゲット市場とターゲットペルソナを設定しましょう。英語は世界中で話されている言語ですので、どの地域の誰を優先してコンテンツを作っていくか、ターゲットを絞って設定していく必要があります。アメリカ向けとシンガポール向けでは、ターゲットのライフスタイルも、言語表現も、GDPも違うのでこの点は極めて重要です。設定の手順としては、前のステップでも取り上げたように、関係部署とエージェンシーでワークショップを行うといいでしょう。まずは2つから3つのペルソナを設定することをおすすめします。

<参考>「英語のSEOとペルソナ設定」についての詳細記事

英語のSEO対策で意識したい「ペルソナ」の設計

④競合の分析・インテント分析

つづいて、リストアップしたキーワードをもとに、設定ペルソナを想定しながらクエリのコンビネーションを作ります。それらを実際にGoogleに打ち込んで検索。検索結果で出てきたものが顕在する競合のページになります。とりわけSERPs(検索結果画面)の1ページ目の競合記事は念入りに見ていきましょう。ここでは、Googleはなぜそれらを上位表示するのか、ユーザーがそうしたページをクリックする意図(インテント)は何かを分析することが大切になってきます。競合コンテンツの内容が自社コンテンツの企画を左右すると言っても過言ではありません。この段階では、バイリンガルもしくは英語ネイティブのマーケターによるサポートが必要になってくるでしょう。市場に明るく、分析能力にたけたエージェンシーが見つかると心強いはずです。

<参考>「英語のSEOとインテント分析」についての詳細記事

英語のSEO 競合のインテントを分析する

⑤コンテンツの企画

競合の分析、ユーザーのインテント分析が終わったら、実際に制作するコンテンツの企画を立てていきます。競合にはない自社コンテンツの独自性をどうやって作りあげるか、手腕が試されます。ここでは、一度、キーワードを再選定する必要も出てきます。また、コンテンツの体裁(フォーマット)にどのようなものを採用するかも重要です。ジャーナル形式の読み物にするか、はたまたインタビュー形式でテンポの良い構成にするか、イラストレーションを使ってわかりやすい解説記事にするか。ターゲット市場の文化文脈に合わせた企画を考えましょう。

⑥コンテンツの制作とKPIの本設定

いよいよ英語でコンテンツを制作する段階です。当然のことですが、制作するのは英語ネイティブのライター。彼らに指示をするのはバイリンガルの編集者が望ましいでしょう。正確にローカルの事情を把握し、ターゲットのニーズに応えることのできるチーム編成を目指します。日本語を中心に考えるのではなく、必ず英語を中心に考えて、キーワードをコンテンツの中に反映させていきましょう。

⑦コンテンツのリライト

SEOコンテンツは制作のあと公開して終わりではありません。検索で上位表示され、かつ長く読まれるように定期的なメンテナンスが必要です。季節ごと、あるいは年ごとで情報が更新される場合はタイミングを見てリライトを行います。あるいは、公開後も想定より検索順位が低いまま動かない場合は、何を改善すればいいのか必ず振り返りましょう。Google AnalyticsやSearch Consoleを定期的にみることで修正点が浮き彫りになり、質の高いリライトにつながるはずです。

<参考>「英語のSEOコンテンツのリライト」についての詳細記事

英語のSEO施策とコンテンツのリライト

以上、7つのプロセスから英語のSEOについて見ていきました。日本語であれ英語であれ、SEOの効果が出始めるまでには時間がかかります。長い視野で見ていく必要がありますが、SEOコンテンツを大切に育てていけば、将来的にユーザーとの安定的なタッチポイントになることは間違いありません。分析、企画、制作、修正を繰り返し、根気よく施策を続けていってください。

Writer

Yuichi Ishino

Managing Director

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