2020.03.28

英語のSEOコンテンツ制作で気をつけたい3つの落とし穴

Yuichi Ishino

英語SEOにおけるアプローチ手法

 

Googleのスターターガイドにもある通り、SEOにおいてもコンテンツの「質」が重要だと認識される時代になってきました。SEO施策のゴールは、常に「上位表示されること」。時代によって、これを達成するための方法論は変わってきましたが、「質」にフォーカスが当たる今、企業のマーケティング担当者は何を基準に考えればいいのでしょうか。

 

その答えはそう難しくはありません。「検索者の欲しい情報を、最適な形で提供できているか」、これが基準です。Googleは自らのサービスをより多くの人に使って欲しいので、「探していたのはこれだ!」と膝を叩いてもらえそうな情報を最上位に表示しようとする。ロジックは極めて明快だと言えます。

 

では、このロジックに言語差はあるでしょうか。当然のことながら、「ない」はずです。その意味で、SEOに対する基本的なアプローチが、英語と日本語で変わることはまずありえません。

 

しかしながら、言語の違いによって、少なからず落とし穴が存在することも事実です。具体的には次の3つ。

 

①エージェンシー(コンテンツ制作者)の選定

②国・地域の設定

②ターゲットの設定

 

以下で詳しく見ていきましょう。

 

英語SEOを任せるエージェンシーの選定

日本企業が英語圏のマーケットに進出するにあたり、最初にぶつかる壁が、すでに自社で発信している日本語コンテンツの英語化です。これにはいくつかのアプローチがありますが、翻訳業者に委託されるケースをよく聞きます。ただし、実はここに最初の大きな落とし穴があります。その落とし穴とは、ずばり、「翻訳業者は翻訳のプロであって、SEOのプロではない」ということです。

 

日本語から英語に訳すとき、表現の関係でどうしても抜け落ちる含意が存在します。これは翻訳の宿命。そのために、日本語では捉えきれていた「検索者の意図」が英語では反映されないことがままありうるのです。より致命的なのが、重要なキーワードの取りこぼし。意味として翻訳が正しくても、検索されている英語のキーワードがその文章に入っていなければ、当然のことながら日本語バージョンに比べてコンテンツのパフォーマンスは下がるでしょう。

 

その意味で、英語の翻訳能力とSEOの知識をあわせ持ったエージェンシーの選定は必須と言えます。これは、既存コンテンツの英語化作業に止まる話ではありません。新しく、一から英語コンテンツを作る場合も同様です。

 

英語コンテンツを届けたい国と地域を明確にする

英語は世界中で話されている言語です。当然、英語コンテンツは世界のあらゆる国や地域から読まれます。ただし、多くの人たちの目に触れるからといって、ターゲットとする場所を考慮せずにコンテンツを作ったり、翻訳するのはあまりおすすめできません。例えば、インドとアメリカではGDPも違えば、消費スタイルも違う。もちろん、使われる英語の表現も変わってきます。ここに第二の落とし穴があります。

 

コンテンツを作る前、翻訳する前に、まずは狙うべき市場を明確にしましょう。北米であればアメリカとカナダ、アジアであればシンガポールと香港とオーストラリア、ヨーロッパであればイギリスとオランダなど、ある程度の大きさの商圏から2つ、もしくは3つの国を設定するのがおすすめです。設定し終わったら、デジタルツールを使ってそれぞれの国で有効な検索キーワードや、ソーシャル上で多く言及されているトピックを選ぶ。そこからSEOコンテンツを完成させていくのです。

 

顧客となるターゲットのペルソナを設定する

国や地域の設定に加えて、そこで暮らす人々やそのライフスタイルについても考えを巡らせてコンテンツを作る必要があるでしょう。文化が違えば、行動態度や消費態度も変わります。また各商圏の各年代で、使われるソーシャルメディアやメッセージングツール、ECサイトなどもそれぞれに特色があるはずです。こうしたことを踏まえると、日本では通じるSEOコンテンツも、海外向けのペルソナを設定した途端に使えなくなる、コンバージョンにつながらなくなる場合があるとご理解いただけると思います。

 

2つ目の落とし穴と同様に、ここでもいくつかのデジタルツールを使ってリサーチをするといいでしょう。バジェットがあればより精緻に、バジェットが限られている場合も過去のデータを参照したり、無料ツールを利用してできることは必ずあります。日本と海外市場の違いをぜひとも理解し、ペルソナ設定を行うことが肝要です。

 

以上、3つの落とし穴について見ていきましたが、冒頭に立ち返ると、すべては「検索者の欲しい情報を、最適な形で提供できているか」が基本となります。英語で読む読者のことを想像し、「質」の高いSEOコンテンツを制作・発信していただければと思います。

 

<参考>「英語のSEO」についての完全網羅記事

英語のSEO対策——知っておくべき全7ステップ

 

<参考>「英語のリスティング」についての詳細記事

英語のリスティング広告 運用のポイント

Writer

Yuichi Ishino

Managing Director

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