英語のSEO施策を始める前に——準備と現状分析
英語SEOと日本語SEOに違いはあるか
英語のSEO施策と日本語のSEO施策において、Googleが推奨する考え方に違いはありません(詳しくは、GoogleのSEOスターターガイドをご覧ください)。しかしながら、英語でコンテンツを制作する前に、日本語とは別の観点で注意を払うべきことはあります。例えば、言語が違うことで選ぶべきキーワードに差が出ます。また、文化の違いによって、ターゲットとするペルソナの消費動向も変わってくるでしょう。そうすると、説明の切り口を変える必要が出てきます。
つまり、日本市場でのSEO施策で通じたことも海外市場で通じるとは限らないのです。「日本語のコンテンツがすでにあるから翻訳だけすればいい」、「日本市場での成功パターンがあるから、これを踏襲すればいい」。そうした考えは一度リセットしなければなりません。
その意味で、英語のSEO施策に入る前にまずやるべきことは、課題の抽出です。なぜ、今、英語のSEOに力を入れるのか、改めてプロジェクトの原点に立ち返ることです。
日本市場の縮小に危機感を抱いているからか、海外の競合が合併で強力になってきたからか、あるいは海外の販売代理店との契約が終わったからか。乗り越えるべき課題によって、SEOで抽出するキーワードの種類が変わってくることがあります。より具体的には、メインのターゲットがアメリカかイギリスか、その違いだけで使う単語やつづりを変えなければなりません。
こうした小さな違いを丁寧にすくい上げることこそ、英語のSEOにはもとめられます。英語は世界中で使われている言語であるため、コンテンツの制作にあたっては、どうしても「課題」に対するフォーカスが散漫になりがち。このことを意識して課題抽出に当たりましょう。
Google AnalyticsにSearch Console 現状把握にはツールを利用
もしみなさんが、すでにグローバルマーケット向けの英語サイトをお持ちの場合は、必要なデータが収集できる土台が揃っているはずです。SEOに関して言えば、Google AnalyticsやSearch Consoleを駆使しすれば簡単にそれらが手に入るでしょう。そこに日本市場でのコンテンツマーケティングでは得られなかった発見があるはずです。
例えば、直訳では絶対に出てこない現地ならではの言葉、時にそれは略語であったり、スラングであったりします。あるいは、日本ではみられなかった言葉のコンビネーションなどが見つかるかもしれません。そもそも、欧米では「言葉の羅列」ではなく「質問文」で検索されがちです。こうした違いが、ツールを利用することで見えてくるのです。
もちろん、この段階ではバイリンガルの編集者やネイティブのマーケターのサポートが必要になってきます。データを深く分析し、そこから潜在顧客のニーズを予想。そうすることで、より企画性のあるコンテンツが生まれるのです。
また、最初の段階で仮のKPIも設定しておきましょう。PV(ページビュー)数を上げるのか、あるいはCVR(コンバージョンレート)を増やすのか、目的をある程度明確にすることで、その後のアプローチも変わってきます。
<参考>「英語のSEO」についての完全網羅記事