2020.03.16

日本語コンテンツを英訳し、海外向けマーケティングに活用する方法

Yuichi Ishino

海外マーケティングで大切なこと

インターネットが発達した現在、ビジネスを自国内にのみ留めておく理由は少なくなってきました。近年では、大企業のみならず中小企業やスタートアップ企業でも、海外展開を見据えた多言語のウェブサイトを開設したり、英語のソーシャル投稿を実践したりしているところが増えています。

そうしたなか、マーケティグの観点で求められるのがローカライゼーションの考え方です。自社のプロダクトやサービスの良さを、どのようにしてターゲットとする国・地域のユーザーに届けるか。会社のブランド・メッセージをどのように浸透させるか。これらを実現させるためには、コンテンツの企画制作時に、ローカルの言語・文化・市場の理解が不可欠になります。

 

言語 - 翻訳を超える翻訳をする

ローカライゼーションでもっとも大切なのは「言語」です。Aという言語からBという言語にただ翻訳するだけでは、大切なメッセージもローカルのターゲットに伝わらないことがほとんどです。年々精度が上がっているとはいえ、機械翻訳に頼るのはもってのほか。いわゆる直訳は絶対に避けなくてはなりません。読み手に負荷をかける直訳は、「自分たちは軽んじられている」という印象さえ与え、マイナスプロモーションになるからです。グローバルマーケティングにおいて、すべての翻訳には必ず両方の言語を理解する人やチームの編集・監修が必要となってきます。

 

文化 - カルチャーの違いを知る

グローバルマーケティングでは、文化や宗教の違いで、Aという地域では適切な表現もBという地域では不適切というケースがよく発生します。そのため、コンテンツのローカライゼーションにあたっては、ターゲットとする場所の文化文脈に深く精通していることが求められます。これにはローカル編集者の存在が不可欠だといえます。

 

市場 - ローカル事情に戦略を合わせる

当然のことながら、各地域の市場によって使われる専門用語や使われるSNS、人々のタッチポイントはかわります。海外進出を目指す企業はこの点をしっかりと押さえ、市場調査を行う必要があるでしょう。たとえば、コンテンツマーケティングでは、Google Analytics、Google Search Console、Google Trendsなどのほか、ソーシャルリスニングのツールを使ってデータを取ることで、最適な戦略を作り上げます。

 

必要なのはトランスクリエーション

言語・文化・市場の違いを考慮しながら時に大胆な翻訳を行い、ローカルに向けて的確なメッセージを届ける手法をトランスクリエーション(Transcreation)と言います。トランスレーション(翻訳)とクリエーション(創造)をかけたもので、マーケティング業界や翻訳業界で使われている専門用語。冒頭に述べた通り、ウェブコンテンツが溢れる今の時代に求められているのはトランスレーションではなく、トランスクリエーションだといえます。

それでは、どのようにしてトランスクリエーション・コンテンツを作っていけばよいのでしょうか。たとえば私たちTAMLOは次のようなプロセスと体制でこれを実現しています。

①ブランドコンセプトの共有

クライアントからミッションステートメント、ヴィジョンなどの共有を受け、ブランドコンセプトを理解します。

②プロダクトやサービスのコンセプトの共有もしくは共創

さらに、クライアントから各プロダクトやサービスのコンセプトを共有してもらいます。あるいは、TAMLOが海外向けコンセプトの制作をお手伝い。クライアントとワークショップを実施することもあります。

③翻訳(トランスクリエーション)

バイリンガルの編集者、ネイティブのライター、ネイティブのソーシャルプランナーまたはSEOプランナーらでチームを結成。上記コンセプトを取り入れ、上でお伝えした言語・文化・市場のポイントを押さえながらトランスクリエーションを行います。

 

「伝えたいことを適切に伝えること」はグローバルビジネスにおけるコンテンツマーケティングの第一歩です。海外に目を向ける企業のみなさんには、ぜひトランスクリエーションのメソッドを使って、ローカルの人々に響くコンテンツを用意していただきたいと思います。

Writer

Yuichi Ishino

Managing Director

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