【イベントレポート】外資系マーケター向け リード獲得のためのローカライゼーション
2024年10月24日、TAMLOは東京・大手町のSPACESにて「Unlocking Japan: 5 Localisation Tips for Successful Lead Generation」というタイトルでイベントを開催しました。60名以上のマーケティングやローカライゼーションのプロフェッショナルが集まり、日本市場でのリードジェネレーションに関する実践的な知見を共有する場となりました。
外資系B2B企業が日本市場でコンテンツマーケティングを成功させるには
イベントには、TAMLOのCOOであり、LinkedInのTop Voiceにも選ばれているNanako Aramakiが登壇。日本市場に参入を目指す海外企業や、国内での顧客層を拡大したい外資系企業向けに、効果的なリードジェネレーション戦略と、日本市場に特化したローカライズのポイントについて講演しました。後半のネットワーキングの時間では、参加者同士が交流を深め、盛り上がりを見せました。
本記事では、イベントで共有されたB2B企業向けの「ローカライズの5つのポイント」について詳しくご紹介します。
1. 効果的なランディングページ(LP)を作成する
ランディングページ(LP)は、ユーザーが最初に企業と接触する「顔」とも言えます。特に日本市場のB2Bにおいては、ユーザーが求める詳細な情報をスムーズに提供することで信頼を築くことが重要です。以下のポイントに気を配り、日本市場に特化した効果的なLPを作成しましょう。
- 詳細情報を充実させる:日本のユーザーは契約や購入に際し、製品やサービスの機能、技術的なスペック、導入事例など具体的な情報を重視します。特に信頼性を高めるために、導入実績や顧客の声、評価も盛り込むと効果的です。
- 日本の文化に合わせたビジュアルを選ぶ:画像やデザインは日本文化に適したものを使用することで、親しみを感じてもらいやすくなります。特に伝統的な企業や大手企業向けのコンテンツでは、信頼感を重視した落ち着いた色合いや、シンプルで整ったレイアウトが好まれる傾向にあります。
- 分かりやすいナビゲーション:訪問者が必要な情報にスムーズにアクセスできるよう、ページ構成はシンプルかつ直感的であることが重要です。特にモバイル対応のナビゲーションも重視しましょう。
- CTA(Call To Action)を複数配置する:ページ内の各セクションにCTAボタンを複数置くことで、訪問者がどの段階でもアクションを取りやすくなります。日本のユーザーは情報をじっくり検討する傾向があるため、視覚的な誘導が繰り返しあると最終的なコンバージョンにつながりやすくなります。
- 同一ページ内でアクションを完結させる:日本のユーザーは、ページ遷移を好まない場合があるため、コンタクトフォームや資料ダウンロードを同一ページに配置し、シームレスな体験を提供することが効果的です。
2. ダウンロードしやすい資料(ホワイトペーパー)を用意する
日本のB2Bビジネスにおいて、ホワイトペーパーや詳細な資料は、意思決定プロセスをサポートするための重要なツールです。日本の企業文化では「根回し」が重視され、担当者が社内の関係者と十分に相談するプロセスが一般的です。そのため、社内で共有できるような、わかりやすく情報がまとまった資料があると効果的です。
- 「根回し」に適した資料の提供:製品やサービスの詳細をわかりやすく整理したホワイトペーパーやカタログ、ケーススタディは、社内での合意形成に役立ちます。
- デモリクエストに代わるアプローチ:海外ではデモリクエストが一般的ですが、日本では初回からのデモ依頼に抵抗がある場合も多く、まずは資料提供を通じた情報提供が望ましいです。
3. コンタクトフォームを日本仕様に最適化する
日本市場でのリード獲得には、コンタクトフォームの細部への配慮が欠かせません。多くの海外企業はコンタクトフォームのしようをグローバルスタンダードにあわせてしまっており、そのせいで日本のユーザーのコンバージョンレートを大きく下げてしまっているケースを多数目にします。機会損失とならないよう、特に以下の点に注意をしましょう。
- 名前の順序を「姓」「名」に:日本では「姓」が先にくるため、この順序に沿ったフォームが自然です。
- デフォルトの国を「日本」に設定:国の選択が必要な場合、日本向けフォームでは「日本」が最初に選ばれていると便利です。
- 電話番号の国コードを「+81」にプリセット:日本国内からのリードをターゲットにする場合、電話番号の国コードを+81に設定しておくことで、入力がスムーズになります。
- 記入項目は最小限に:フォームが長すぎると記入の手間が増え、離脱につながりやすくなります。最低限の情報に絞り、追加の情報は後から収集する形が理想的です。
4. 最適なデリバリーチャネルを選択する
日本のB2Bマーケティングでは、グローバル市場とは異なるチャネルが効果的です。日本市場特有のメディアを活用することで、リードジェネレーションの成果をより高めることができます。以下に、日本市場での代表的なチャネルとその特徴をご紹介します。
- Facebookの活用:日本のB2Bマーケティングでは、LinkedInよりもFacebookの方が効果的な場合が多くあります。Facebook広告は、特定の業界や役職に焦点を当てたターゲティングが可能で、精度の高い広告配信が強みです。特に大手企業の担当者にもリーチしやすいプラットフォームであるため、リード獲得に有効です。
- Yahoo! JapanとBingの活用:Googleが検索エンジンシェアのトップですが、日本ではYahoo! Japanも依然として一定の利用率を誇ります。Yahoo! Japanは特に年齢層の高いユーザーや地方のユーザーに強く、PPC広告としても活用できます。また、Bingのシェアも増加しており、特に特定の業種やB2B分野では効果的なリーチが期待できます。
- ブログプラットフォームの活用:日本市場では、企業のコンテンツマーケティングにおいてブログも重要なチャネルの一つです。特に、noteは最近注目されており、企業や個人が読者との信頼関係を築きやすいプラットフォームです。Amebaも影響力があり、特にB2Cだけでなく、B2B向けのコンテンツ発信としても活用できます。ブログを通じて自社の専門知識を提供することで、ターゲット層の関心を引き、ブランドの信頼性を高めることが可能です。
5. 専門分野に明るいマーケティングライターを採用する
日本市場での成功には、単なる翻訳だけでなく、日本独自の文化やビジネス慣習に精通し、ターゲットの共感を引き出す表現力を持ったプロフェッショナルなマーケティングライターが必要です。次のようなスキルと知識を備えたライターが、ターゲット層に響くコンテンツを提供します。
- ブランドと市場の深い理解:ブランドの価値や特徴を日本市場向けにわかりやすく表現し、日本の文化やビジネス習慣に合った表現でターゲット層の信頼と共感を得ることが求められます。これにより、ブランドの信頼性を高め、顧客との長期的な関係構築に貢献します。
- 製品や顧客ニーズの把握:顧客が重視する情報や潜在的な課題に焦点を当て、製品やサービスの価値を具体的に訴求します。日本市場では「価値提供」が重視されるため、単なる機能説明だけでなく、顧客が抱える問題をどのように解決するかを明確にするコンテンツが効果的です。
- マーケティング目標に基づくコンテンツ設計:企業が目指すリード獲得や認知向上などの目標に合わせたコンテンツを設計することで、読者の行動を促します。マーケティングのゴールを深く理解したライターは、ターゲット層に適したトーンやスタイルを見極め、共感を呼び起こすメッセージを効果的に伝えられます。
- SEO知識と実践力:日本市場に最適なキーワード選定と検索エンジン対策を施し、集客効果を高めるスキルも重要です。SEOに精通したライターは、検索エンジンでの露出を最大化するだけでなく、実際にターゲットユーザーの関心を引く内容でコンテンツを提供し、オンラインでの集客を効果的にサポートします。
TAMLOでは、ローカライゼーションに特化したコンテンツマーケティングを通じて、外資系企業の日本市場参入をサポートしています。ご相談や詳細については、お気軽にお問い合わせください。