2024.06.03

英語のコンテンツマーケティング 10のポイント

Yuichi Ishino

ローカルの「市場」「文化」「言葉」を理解しよう

海外マーケットに足を踏み入れるときには、「ガイドブック」が必要です。コンテンツマーケティングを利用した海外進出においても例外ではありません。この記事では、グローバル市場でコンテンツマーケティングを始める企業に向け、「準備しておくべきこと」「知っておくべきこと」のチェックリストを紹介します。

ターゲットを知ることなくビジネスをすることはできません。自国以外の国や地域でコンテンツマーケティングを行う際、まずはローカル独自の「市場」「文化」「言葉」に対して理解を深める必要があります。そして、これによって得られた知見が「良いガイドブック」を作り、ゴールにまで導くのだと思います。以下でそれぞれの項目に分け、海外市場参入にあたって10のポイントを列挙しました。

ローカルの市場について

①ターゲット地域の人口を知る

日本の人口はおよそ1億2700万人。65歳以上の人口が全体の約30パーセントを占め、世界に先駆けて超高齢化社会となることが予想されています。一方で、みなさんがターゲットとされる地域の人口構成はどのようになっているでしょうか。アメリカ、イギリス、香港、シンガポール、オーストラリアなど、それぞれの特徴について把握しておきましょう。同じ商品を訴求するにも、人口構成の違いによって、コンテンツ制作の戦略は変わります。

②広告市場の規模を知る

日本国内の総広告費は約7兆3167億円(前年比103%)です。そのうち、インターネット広告費が約45%の3兆3330億円を占めています。広告市場全体の成長はインターネット広告の伸びに起因していると言っても過言ではありませんが、テレビの広告出稿を抜いたのはわずか5年前のことです(電通の調査レポート)。一方、アメリカ、イギリス、その他の国ではどうでしょうか。例えばイギリスでは2009年の時点で、オンラインの広告が全媒体を抜いてトップシェアとなっています。ターゲットとする国によって、広告市場の様子が違うので、あらかじめリサーチしておきましょう。

③ローカルの消費者のニーズを知る

新たな市場に参入するにあたり、まずは自社がターゲットとするカテゴリでどのような消費者ニーズがあるか把握することが大切です。SEOでは、Google AdwordsやSearch Consoleで得たキーワードから戦略を立てていくことが重要です。ソーシャルプラットフォーム対策では、ソーシャルリスニングツールを駆使して消費者のメンションやポストを分析するのも有効でしょう。地域によって異なるニーズを様々なデジタルツールをうまく活用し、インサイトを引き出しましょう。

④ローカルの競合他社を知る

業界を牽引する大手企業に加え、新規参入の起業企業の戦略にも注目する必要があります。時として新興企業の方が斬新で生々しいマーケティング施策を行っていることも。例えば中国の小米(シャオミ)は、スマートフォンで他社に先駆けてSNSとの連動に注力し、マーケティングで大きな成果を上げました。現地の勢力図を見渡すことが肝心です。

⑤インターネットのトレンドを知る

SimilarWebによると、日本で最も見られているニュースメディアサイトは「Yahoo! Japan」です。旅行系サイトでは「じゃらん」や「楽天トラベル」が挙げられています。一方、世界ではどうでしょうか。例えばイギリスにおけるニュースサイトのトップは「BBC」、旅行サイトは「Tripadvisor.com」「Booking.com」です。このように、一般的には各地域によって産業別の特徴が見られます。コンテンツを通して、ローカルのユーザーの行動トレンドを把握することは極めて重要でしょう。

⑥ソーシャルメディアやアプリのトレンドを知る

日本と同様に、欧米やアジアの多くの地域でも「Facebook」「Instagram」「Twitter」「YouTube」「TikTok」は人気です。ー方で違いもあります。例えばコミュニケーションアプリ。日本では「LINE」の存在感が圧倒的ですが、欧米では「Whatsapp」が多く使われています。ソーシャルチャネルに対する理解は、コンテンツのソーシャル戦略の鍵です。また、日本ではまだこれからのSNSですが、ビジネスパーソンを対象とした「LinkedIn」は世界で10億人近くのユーザーがおり、多くのプロフェッショナルが情報交換に活用しています。

⑦ターゲットが好むデザインを知る

われわれのオフィスはロンドンと東京にありますが、イギリスのメンバーに日本のウェブサイトを見せると驚きの反応が返ってくることが多いです。具体的には、日本のウェブサイトデザインは、イギリスのそれに比べて情報が多く、色使いも派手。これにはいくつかの要因が考えられますが、文化の違いが大きいかもしれません。日本では「事前のきめ細かい説明を必要とする傾向」があり、この点もデザインに影響していると考えられます。郷に入っては郷に従え、です。その土地の文化特徴を捉え、これをコンテンツデザインに反映させましょう。

ローカルの言語について

⑧言葉の違いを知る

コンテンツマーケティングで海外進出するにあたり、最初に採用されるステップでよくあるのが、日本語の既存コンテンツの翻訳です。もちろんこれは悪手ではないですが、注意が必要。言語を翻訳すれば必ず抜け落ちる意味が出てきます。また、英語と日本語では言語のシステムや文法が違うので、翻訳表現にも工夫が欠かせません。クオリティを担保するためにも、ネイティブのサポートは絶対です。新規記事についても同様。ブログライティング、コピーライティング、UXライティングにあたっては専門家に相談することを強くオススメします。

⑨キーワードの特性を知る

先に述べたように、日本語では通用するコンテンツも、英語にした時にすっかり機能しなくなるケースはままあります。特にSEO施策でその傾向が顕著です。そもそもキーワードの抽出と選択は日本語でも細心の注意が必要です。英語もまた然り。ここでもバイリンガルとネイティブを入れたチーム編成で戦略を立案することがベストです。

⑩ターゲットが好むコピーを知る

言葉の違いは表面的なものだけでなく、発信する側とその受け手の認知のズレにも現れます。例えば自動車のマーケティングで、ドイツ人エンジニアと米国のユーザーとでは、理解の仕方やウケ方がまったく異なることもあります。的確に「伝わる」コンテンツを作り上げるためには、現地の人々の物事の受け止め方や考え方に精通する必要があります。

以上、海外市場に参入するために英語のコンテンツマーケティングで必要なことはなにか、10のポイントを列挙しました。

TAMLOでは、日英バイリンガルおよび日本語ネイティブのスタッフが、海外企業の日本でのコンテンツマーケティングを支援しています。マーケティング戦略立案、オンライン広告運用、コンテンツのローカライゼーションに到るまで、気軽にお問い合わせください。

Writer

Yuichi Ishino

Managing Director

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