2020.03.30

日本における新型コロナウィルスとマーケティングへの影響

Yuichi Ishino

日本での新型コロナウィルス——これまでの経緯

 

日本で最初のコロナウィルス感染者が発表されたのは2020年1月16日のことです。2月3日には、すでに船内感染が報告されていたイギリス船籍のクルーズ船、ダイヤモンドプリンセス号が横浜に寄港。そこから、感染拡大のニュースが連日のようにして世界へと届けられていました。最初の死者が出たのは2月13日です。

 

その後も感染者は微増を続け、2月下旬に政府よりイベントの自粛や在宅ワークの奨励がアナウンスされます。2月27日には、政府は全国の小中学校の休校を決定しました。この頃から、徐々に経済活動の自粛ムードが広がり始めたと言っていいかもしれません。

 

3月上旬からは他国からの入国にも強い要請や制限がかかり始めます。まず、3月5日には、中国と韓国からの入国者に2週間の待機要請が出されました。続いて、10日に北イタリアからの入国を拒否。この頃には、国内よりも海外、とりわけ中国、韓国、イタリア、イランの状況が悪化しているというニュースが多くみられるようになりました。

 

イベント自粛の要請は続けられます。日本でもZoomなどのオンライン会議ツール、あるいはSlackやTeamsといったビジネス・コラボレーションツールが普及し、在宅ワークの文化が根付いてきました。

 

3月下旬に入り、大きなニュースが頻発するようになります。3月18日には欧州とイラン、エジプトなど38カ国からの入国者に14日間の待機を要請。22日にはアメリカ全土への渡航中止がアナウンスされました。そして、3月24日。東京オリンピックが、2021年の夏を目処に延期されることが正式に決まりました。

 

現在、東京都は週末の外出は避けるよう要請。平日は自宅勤務し、夜間の外出も自粛するよう呼びかけています。3月30日現在、日本全国の感染者数は1647人です。

 

(註)

  1. 以上の時系列については、ニューズウィーク日本版の記事を参考にしています。
  2. 感染者数などについては東洋経済オンラインの「新型コロナウイルス 国内感染の状況」でわかりやすくまとまっています。

 

日本でのリモートワーク事情

先に挙げたように、国や各自治体から在宅ワークが要請されています。日本では欧米に比べてZoomなどのオンラインツールの導入が遅かったですが、ここにきて一気に広まり始めました。ウェビナーの開催も以前に比べて増えているようです。しかしながら、東京などの大都市では、朝のラッシュアワー時の電車は混雑したままです。

 

日本で落ち込みが激しい業種、伸びている業種

3月に発表された「JCB消費NOW」のデータによると、2月に伸びた業種はスーパー、コンビニエンスストア、医薬品、ディスカウントショップなど。各種ECも大きく伸びています。街には、Uber Eatsなどのデリバリーを見かけることも多くなりました。逆に落ち込みのあった業種は、遊園地や映画館などのエンタメ。外食では居酒屋。このほか、ホテルなど旅行・観光業は苦戦を強いられています。

 

 

日本での広告施策・マーケティング施策

オリンピックの延期も決定し、広告費の落ち込みは避けられそうにありません。日本における広告代理店の最大手、電通も2020年12月期の連結業績予想で、コロナウイルスによる広告需要の減退を発表しました。オリンピックは中止ではなく延期になりましたが、まだ不透明感は残ります。今後、事態の推移とともに、この決断をポジティブと捉えるか、ネガティブと捉えるか、世論が形成されていくでしょう。なお、今後、消費者感情を加味すると、企業はマス広告を打ちづらくなり、オンライン広告のシェアが上がることが予想されます。日本では、昨年になりようやくオンライン広告がテレビを抜いて全体のトップシェアに立ったばかりです。

 

世界的な難局にあたって、企業にとってブランディングの舵取りはとても難しくなっています。ただ自社の利潤を求めるのではなく、いかにして消費者に寄り添う行動がとれるか。そのことが試されているように思います。これについてはイプソスが簡潔な資料をまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

以上、コンテンツマーケティング業界の視点から、日本における新型コロナの状況をまとめました。本記事は、不足を見つけたり、情報がアップデートされたりするごとに加筆修正していく予定です。

 

TAMLOのスローガンは、「Languages, Cultures and Markets. Make Things Borderless.」です。グローバルにビジネス展開するコンテンツマーケティング企業として、世界の皆様とこの難局をともに乗り越えていきたいと思います。

 

本記事の英語バージョンはこちらです>>

Writer

Yuichi Ishino

Managing Director

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